通貨が持つ機能-仮想通貨を考える

通貨が持つ機能-仮想通貨を考える

通貨が持つ機能-仮想通貨を考える

通貨が持つ機能-仮想通貨を考える

通貨とは何かを考えるために、通貨が持っている機能について見ておくことにしましょう。

通貨にはいくつかの機能があります。

人によって、あるいは学説によって、多少の見解の相違はありますが、通貨には概ね以下のような機能があるとされています。

  • 1 価値の基準(価値の尺度)
  • 2 価値の交換(交換の手段、決済)
  • 3 価値の保存一つずつ、見ていきましょう。

1の価値の基準(価値の尺度)とは、商品やサービスの価値をはかるためのものさしとしての機能です。 物々交換の社会を想定してみてください。

Aさんはりんごをたくさん持っていて、Bさんは米をたくさん持っているとします。 そして、Aさんは、りんごはたくさんあるので米がほしい、Bさんは、米はたくさんあるのでりんごがほしいと思いました。 AさんとBさんが出会えば、取り引きがはじまります。

しかし、ここで価値の基準がないと、りんごと米をいくつずつ交換すればいいのか、わかりません。

その場では話し合いで取り引きできるかもしれませんが、別の人と同様の取り引きをする際に、同じ条件になるとは限りません。 毎回、話し合って交換条件を決めることになります。

ですが、例えばりんご1個=200円、米1㎏=400円と決めれば、りんご2個と米1㎏を交換すればいいとわかります。 これが通貨の「価値の基準」機能、価値をはかるものさしの機能です。

単位を決めて、それを尺度とすることで、商品やサービスの価値の基準を示すことができるのです。

2の価値の交換(交換の手段、決済)は、最もわかりやすい機能でしょう。実際に商品やサービスを売買する際に、決済手段として使われる機能です。

例えば、先ほどの例で言えば、りんごを持っているAさんがりんごを2個売り(Bさんに売る必要はありません)、400円を手に入れます。

この時点で、りんご2個という価値と400円という価値を交換しています。

次に、その400円を持ってBさんのところへ行き、米1㎏を400円で買うと、400円という価値と米1㎏という価値を交換したことになります。 物々交換だけだと、AさんとBさんが出会ったとしても、Aさんが米を、Bさんがりんごを同時にほしがっていない限り、取り引きは成立しません。

AさんがBさんに「米がほしい」と言っても、Bさんが「りんごはいらない」と言ったら、取り引きは不成立です。

また、Aさんが米を、Bさんがりんごをほしがっていたとしても、お互いが直接会わない限り、取り引きは成立しません。

通貨を媒介とすることで、AさんはBさん以外の誰かにりんごを売ったとしても、その代金でBさんの米を買うことができるようになるわけです。 3の価値の保存とは、どういうものでしょうか。

例えばAさんが持っているりんごは、収穫してから1〜2ヵ月も経ったら、水分が抜けてスカスカになり、もぎたてと比べるとおいしくなくなります。 収穫したてのみずみずしいりんごよりも価値が落ちたと、多くの人が感じるはずです。

さらに時間が経てば、やがては食べられなくなってしまうことでしょう。

米も新米と古米とでは味が違いますから、同じ品種で同じ1㎏でも時間とともに価値が落ちると言えます。

りんごや米ならまだ比較的長く保存できますが、魚ならあっという間に腐って食べられなくなってしまいます。 こうした収穫物や魚、肉といったものは、長く持っているとその価値がどんどんと減っていってしまいます。

価値が減る前に、例えばりんご1個を200円で売って、その200円を持ち続けていれば、収穫したてのりんご1個の価値がずっと手元で保存されることになります。

このように、価値あるものを売って得た通貨は、貨幣そのものが劣化することはあっても(例えば、紙幣が破れたり、硬貨が欠けたりするなど)、その価値が失われるわけではなく、ずっと保存されていくのです。

これが、通貨による価値の保存機能です。

通貨にはこの3つの機能があり、逆に言えば、この3つの機能があれば通貨だと言えることになります(他に「譲渡性」=別の人に渡しても価値を損なわずに使える、あるいは、「多くの人が『通貨』と認識している」などの特徴もあります)。